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23話 忘れていた約束

مؤلف: みみっく
last update آخر تحديث: 2026-01-08 06:00:44

「あ……これ、リビングでやることじゃないわ。ヤバイ、外に出よ……」

 黒炎が放つ圧倒的な破壊の気配に、ユウヤは冷や汗を流しながら立ち上がった。このままでは愛着のある家具やカーテンが灰になりかねない。

「ちょっと庭に出て、剣の素振りでもしてくるね」

「ユウヤ様……もぉ……」

 ミリアは呆れたように肩を落としつつも、ユウヤの無鉄砲な行動に溜息をついた。その視線の先では、先ほどの護衛たちが再び戦慄し、慌てて道を開けていた。

 ユウヤは炎を吹き上げる剣を慎重に掲げたまま、足早に庭へと向かった。

 夜の冷気が漂う庭に出ると、暗闇の中で黒炎はいっそう禍々しく、そして美しく揺らめいている。軽く一振りするだけで、風を斬る音の代わりに「ゴォッ」という低い燃焼音が響き、空気が熱で歪んだ。

(……これ、ただの属性剣どころじゃないな。火龍の力は、想像以上だな)

 ユウヤは柄から伝わる力強い鼓動を感じながら、夜の静寂の中でゆっくりと剣を構え直した。

 夜の静寂に包まれた庭で、ユウヤは「収納」から木製の人型の的を取り出し、地面に据えた。手の中の剣は、依然としてどろりとした黒炎を纏い、闇を不気味に侵食していた。

シュ……

 鋭く横一文字に振り抜くと、手応えは驚くほど軽かった。  斜めに断ち切られた的は、断面から溢れ出した黒炎に一瞬で包まれ、音もなく崩れ落ちて灰へと変わる。これだけの火力がありながら、不思議と周囲の地面には焦げ跡一つ付かず、ユウヤ自身も熱さを感じなかった。

(……なるほど、対象物だけに干渉してるのか)

 ユウヤは再び新しい的を出し、今度は切っ先で軽く突いた。  刹那、接触した一点から猛烈な勢いで黒炎が広がり、生き物のように的を呑み込んでいく。数秒もしないうちに、そこには何事もなかったかのように夜の闇が戻っていた。

「おおぉ。これ、面白いかも……」

 

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